冷えとり健康法1:靴下の重ね履き/治療室Pieria<ピエリア>

冷えとり健康法1:靴下の重ね履き
以下の記事は、2006年夏にブログに掲載したものの転記です)

冷えとり健康法は生活そのものですので、これから書くことはとても具体的かつ大切な生活の方法です。
・頭寒足熱のために・・・靴下の重ね履きと服装、半身浴、生活の工夫
・腹七分目のために・・・食べ過ぎない工夫と食品の選び方
・排毒と瞑眩(好転反応)等 を書く予定でおります。
今回は頭寒足熱のための靴下の重ね履きについてです。

基本は4枚重ね履き
冷えをとるということは、上半身より下半身をあたたかくすることで、基本が頭寒足熱です。そのための手段は半身浴、住まいの工夫などもありますが、足もとを常に温めるための服装の工夫の最大ポイントは靴下です。足浴や半身浴を一日中していられる人はいないと思いますので、お風呂に入っている時以外は靴下で足もとを24時間温めます。
1枚目:絹5本指ソックス
2枚目:綿(またはウール)の5本指ソックス
3枚目:絹の指なしソックス(絹と綿の二重構造のものがあり、お薦めです)
4枚目:普通(綿やウールなど)のソックス

これが基本です。3枚以下では足りないことが、やってみればわかりますし、4枚以上ならいくら履いても構いません。

何故1枚目が絹なのか?…絹はあたたかく排毒力が強い素材です。足はとても汗をかきますし、最も冷えている部位ですから老廃物も沢山溜まっていて、靴下を履いて身体があたたまってくるとそれが排出されてきます。特に指と指の間から多く排出されます。木綿は吸収力は強いのですが、汗や老廃物はそのまま繊維にたまり湿ってしまいます。その点、絹は繊維に老廃物や水分を殆どとどめないので、さらっとしています。皮膚からの排毒を促す1枚目は絹の5本指が必須です。 2枚目は綿かウールの5本指で、いずれも冷えとり専用品としてあります。1枚目の絹から排出されたものを吸収し、そして3枚目の指なしの絹にまた排毒させます。この3枚目は絹と綿の二重構造になっている専用品があり、1枚履いて2枚重ねの効果があるのでおすすめです。そして最後に普通の指なし靴下(綿でもウールでも、少しなら化繊が入っていても構わないが、あまり締めつけない大きめのものが楽)を履きます。

どうして重ねるのか?…上記のように排出と吸収の素材を組み合わせることで排毒が効果的に進むことと、重ねることによって、靴下と靴下の間に空気の層ができて保温効果が増します。この保温効果の点で4枚重ねが基本という経験上の結論なのです。3枚以下では不完全で冷えとりになりません。それに絹は優れた素材ですが摩擦に弱いので、丈夫な綿などの異素材を重ねたほうが長く使えます。 お風呂からあがったらまず靴下を履き、24時間もちろん寝る時も履きます。就寝中に身体の排毒がすすみますので、寝るときにより沢山重ねて温めたほうが良いです。
絹のレッグウオーマー陶製湯たんぽを夏でも使っていらっしゃる方もいます。私も体調が悪い時は更に沢山重ね履きをして、場合によっては湯たんぽも使います。じっとりとした感じになったら履き替えます。 以上が靴下に関する重要事項です。

・・それにしても、この重ね履きについて説明した途端の患者さんたちの反応が、長年見てきて慣れましたが非常に興味深いです。皆さん一様に「拒否」の構えをとるからです(笑)
「4枚!?それは無理!」
と皆さんおっしゃいます。 でも何故なのでしょう?高価なものを買う必要もないし(靴下はせいぜい数百円です)、ないものを探せと言っているわけでもない、子どもさんでもできる、ただ靴下を履くだけのことなのに。。
「ファッション業界で働いているので、そんな格好はできない」とおっしゃる方。ファッションもライフスタイルもモードでいることが大切で、心身をお仕事に殉ずる必要があるのだとしたら、冷えとりの出る幕ではないのかもしれません。でも失礼ながらモード系ではない方々も一様に、「ダサい、みっともない」「入る靴がない」「いつもスカートだからできない」「洗濯が大変」「足がごろごろして気持ちが悪そう」etc..色々おっしゃいます。 今までの生活と合わなくなること、これがやはり大変なことですよね。小さな日常を変えていくということが、実は一番難しいのかもしれません。
でも前回書いた通り、病気とは生活や心持ちの間違いによる冷えが原因なのですから、治癒に至る為には生活を変える必要があるということなのです。今までの靴や服が合わなくなり再構成をする、その位の覚悟は必要だと思います。 普段制服でストッキングで過ごすしかない会社員の方は、家にいる時と寝る時だけでも、そして今現在闘病されていたり体調不良に悩む方々は、とにかく「素直に」そして「淡々と」実行されることをお薦めします。必ず手応えがあるはずです。

ちなみに私は冷えとりをはじめて、生活やファッションを変えることも体調の変化もかなり楽しむことができました。足があたたまっていると気持ちが良く身体が楽で、それまで強すぎる冷暖房ですぐに体調を崩していましたが、そういうことにあまり影響されなくなりました。私は靴下の他にパンツスタイルなら必ず絹のズボン下を履きますが、そうしていれば冬でも上半身の衣服は七分袖か長袖1枚、外出時に上着1枚でOK。足もとを温めてさえいればそれが快適です。 頑張りがきくようにもなります。当時会社員で、イベントなどを担当していると準備等で深夜まで立ちっぱなしということもありました。そんな時、ああここでパンプスとストッキングだったらもうダウンしているなぁ…、という感じがわかるのです。ちなみに私はストッキングは十数年全く履いておりませんが、絹のストッキングを試したことはあり、ナイロン製よりはずっと温かかった記憶があります。下着や服装は自然に絹100%や天然素材100%のものに変わっていきます。そのほうが身体が喜んでいるのがわかるからです。
瞑眩(後述しますが、好転反応のことです)もすぐに出ました。冷えとりを始めた冬に4回風邪をひき、うち1回は完全に声が出なくなるような酷いものでしたが、風邪薬等は一切服用せず症状を抑えないようにしていると、その後春になると明らかに体調が良くなってくるのがわかり、より多くの仕事をこなせるようになっていきました。でもこの経過は個人差がありますのであくまでもご参考に。
足のサイズは約1〜1.5センチ大きくなります(靴にもよります)。ショートブーツを最も活用しました。当時はまだ会社員でしたので、それまでのスーツやスカートにも、ひも付きのショートブーツを合わせて靴下をわざと出してみると案外可愛いことがわかったり、いろいろ研究を重ねました。パンツスーツにはヒールのあるショートブーツで全く問題ありませんし、パーティーや結婚式もそれで出席できました。またワイズの広い甲高のパンプスで、4枚目の靴下を同色にすれば、パンツスタイルならほとんど目立たないと思います。さすがにミニスカートは冷えとり的に着なくなりましたが、ロングスカートは時々絹の厚手タイツと靴下とひも靴などと合わせて着ます。 人のお宅にお邪魔した時などに私の靴だけが妙にゴツイのが笑えますが、トータルとしてそれほどダサくはないと「自分では」思っているのですが…(笑)
足に良いと言われるドイツ製の靴(ビルケンシュトックやヤコフォームなど)も試しました。確かに足自体は楽なのですが、ヒールが低すぎる靴は却って疲れる感じがしました(人によると思います)。それよりも見た目よりワイズが広めでバランスが良く履きやすい普通の靴やブーツ、というのがたまに見つかり、そのほうが私は愛着も出て楽しめます。探し出すのは大変ですが、1〜2足見つければかなり長持ちします。足から出る沢山の毒素を靴下が吸い取るので、靴の痛みも減るからだと思います。10年前の靴がまだ健在ですから。 普段カジュアルな服装でスニーカーが多いなら全く問題ないはずです。ちなみに今の私の靴はMBTです(笑)
昨年の冬はウールのひざ上のキュロットスカートに絹の厚手タイツを履き、ロングブーツと合わせる、などということもしてみました。ブーツは冷えとりの強い味方です。夏でも履ける色合いのおしゃれなブーツが出回っていますので、こんどチャレンジしてみようかなと思っています。 以上、長くなりましたが少しでも具体的なほうがご参考になるかと思い、私の体験談をざっと書きました。

写真の本、ずぼらな青木さんの冷えとり毎日は、コピーライターの青木美詠子さんが冷えと体調不良を克服するためにあらゆる健康法や治療を試した末にこの「冷えとり」にたどりつき、10年間かけてつかみとった冷え克服の知恵のお話です。体験者なら激しく同感することが、可愛く真面目にちょっと可笑しく書かれていて、面白いです。
絹の靴下等の製品については、治療室Pieria、または全国の冷えとりのお店などにご相談ください。


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